1990年以前は、バラードやトロットが中心だった韓国歌謡界。しかし、90年代初め「ソテジワアイドゥル」の登場により、現在の韓国の音楽のスタイルが方向付けられた。「ソテジワアイドル」はソ・テジ、イ・ジュノ、ヤン・ヒョンソク(現YGエンターテイメント代表取締役)の3人からなるグループで、パワフルなダンスとラップという今までにないジャンルの歌を歌い、爆発的な人気を集めた。そして、彼らは10代の子供たちにとって絶大な影響力を持つようになる。彼らの影響力を語る一例として、家出した10代について歌った「COME BACK HOME」を聞いた10代の子供たちが家出をやめ、家に帰って行ったといわれるほど、彼らの影響力は絶大だった。さらに、今では一般的だが、MV文化を韓国の音楽界に定着させたのも彼らであった。しかし、彼らは人気絶頂の中、1996年に解散をする。彼らが解散したのと同じ年に、第1次アイドルブームを巻き起こし、K-POPを確立させることになる男性5人組のアイドルグループ「H.O.T」がデビューする。彼らは「少女時代」や「SHINee」も所属するSMエンターテイメントが送り出した元祖アイドルグループで、10代の女性たちから熱狂的な人気を集め、あっという間にブレイクした。第2の「H.O.T」を狙い、「SS501」の所属するDSPエンターテイメントが送り出した「ジェクスキス」などのアイドルグループとともに、韓国音楽界をアイドルグループ中心に一変させるムーブメントを巻き起こした。
2001年に「H.O.T」が解散したのをきっかけに、アイドルグループのブームは落ち着き、2001年にデビューした「Browneyes」や2002年デビューの「ピ(RAIN)」や「フィソン」などのR&B歌手が台頭し始める。「SG WANNA BE」もデビューし、一層R&B色を強めていく。一方、ダンスでは日本でもトップスターである「BoA」が2000年、アイドルグループからソロになった「イ・ヒョリ」が2003年にデビューし、韓国音楽界を盛り上げた。この時期はアイドルやダンス、バラード、HIPHOP、R&Bなどさまざまな分野の歌手が活躍をし、K-POPは共存の道を歩み始めるが、2007年“Tell me”ダンスで爆発的な人気を得た「ワンダーガールズ」が登場したことで、ガールズグループが注目を集め、2009年には“ガールズグループ旋風”を巻き起こす要因となり、女性アイドルグループを中心とした第2次アイドルブームへと発展していった。
第1次アイドルブームでは、主に男性アイドルグループが中心となり、「H.O.T」、「ジェクスキス」を筆頭に「神話」、「G.O.D」など、現在はメンバーがソロ活動を行っているグループが人気を集めた。韓国のアイドルグループには、それぞれ「カラー」があり、ファンたちはグループのカラーの風船を用意し、応援していた。今でもそうかは分からないが、当時は各アイドルグループがライバル関係にあったため、ファン同士のけんかも多くあったといわれている。一方、女性アイドルグループとしては、日本でのデビュー経験もある「S.E.S」やイ・ヒョリ、女優に転身したソン・ユリらが所属していた「FIN.K.L」、バラエティ番組「私たち結婚しました」でキム・ヒョンジュンとカップルになったファンボをリーダーとする「シャクラ」などが人気を集めたが、男性アイドルほど、大きな人気になることはなく、数々のアイドルがデビューしたが、ブームを巻き起こすほどにはならなかった。
2004年から2006年にかけてデビューをした、「東方神起」、「SS501」、「スーパージュニア」、「BIGBANG」は韓国だけでなく、日本での活動も増やし、東方神起は日本レコード大賞で2008年、2009年と優秀作品賞を受賞、BIGBANGは2009年レコード大賞で最優秀新人賞を受賞するなど、日本でのK-POPブームを巻き起こす基盤を築いた。
第2次アイドルブームとなる2009年、すでにガールズグループのトップに君臨していた「少女時代」は「Gee」、「KARA」は「Mr.」のお尻ダンス、「Browneydgirls」は「アブラカタブラ」で大ブレイクを果たし、その勢いに乗って、「2NE1」や「4minute」、「AfterSchool」、「T-ara」などがデビューをし、中毒性のある曲を歌い、ガールズグループがK-POPを席巻するようになった。そして2010年、4minuteは日本デビューを果たし、KARAも8月にデビューをすることが決まり、韓国で起きたアイドルブームが日本に拡大しつつある。
日本のバラエティといえば、芸人やタレントを中心に、アイドルや俳優などが出演することが多いが、韓国のバラエティの場合、俳優が出演することもあるが、ほぼ、歌手と芸人で成立している。それほど、韓国の歌手たちはエンターテイナーとしての能力が高い。日本の韓国好きの方も、バラエティを見ていて、「この人、歌手だったんだ」と思うことがあるのでは?
代表的な例としては、KBSのバラエティ番組「ハッピーサンデー」の大人気コーナー「1泊2日」に出演しているイ・スンギは“バラードの貴公子”と呼ばれる歌手で、MCモンはHIPHOPで大人気。ウン・ジウォンは第1次アイドルブームを牽引した「ジェクスキス」のリーダーで現在HIPHOP歌手としてソロ活動している。除隊して番組に復帰した天然ボケのキム・ジョンミンは韓国で大人気のダンスグループ「コヨーテ」のメンバーが挙げられます。なんと「1泊2日」に出演しているメンバーの3分の2が歌手である。
また、MBCの大人気リアルバラエティ番組「私たち結婚しました」では、神話のアンディやチョンジン、「SS501」のキム・ヒョンジュンが出演し、人気を集め、シーズン2の今は、2010年デビューしたばかりの「CNBLUE」のリーダー、チョン・ヨンファや「少女時代」のメンバー、「Browneyedgirls」のガイン、「2AM」のチョ・グォンが大活躍中。歌もちろん注目ですが、新世代アイドルたちの活躍にも注目が高まっている。
2007年デビュー後、メンバーが入れ替わり5人になって大ブレイクしたガールズグループブームを牽引するグループ。
ギュリ、スンヨン、ニコル、ハラ、ジヨンの5人で、バラエティでも大活躍。アイドルらしいアイドルで、2010年8月の日本デビューを控え、今、最も日本で注目されているガールズグループ。
2010年1月にデビューしたばかりながら人気を集める、今後、最も期待のできる9人組のボーイズグループ。
デビューまでの過程をCSで放送していたため、デビュー直後から人気になり、デビューして2ヶ月で来日も果たす。それぞれがダンス、歌、トークの才能を持っている。
2010年にメジャーデビューしたアイドルバンド。
エレクトリックサウンドが中心のK-POPに少し懐かしくも感じるサウンドで新しいジャンルを作りつつある。メンバーには「私たち結婚しました」に出演していて、「美男ですね」にも出演したチョン・ヨンファがいる。日本のインディーズでもアルバム2枚を出している、日本でのヒットを感じさせるバンド。
デビュー当時は5人だったが、ユイが加わり、その後1名が脱退し、代わりに3名が入るといったように、日本の「モーニング娘。」と同じようなイメージだが、モデル体型の美女8名からなるダンスグループ。
リーダーのガヒはBoAのバックダンサーをしていた経験もあり、ダンスにキレがある。新曲の「Bang」ではチアリーディングを取り入れたダンスを披露、またマーチングの実力にも魅せられる。地上波のキャスターもべた褒めする日本でデビューしたら、人気が出ると思われる期待のガールズグループ。