~前回までのあらすじ~
「この夏、イチオシのアジアン・ホラー」を挙げる緊急会議に呼び出されたメンバーたち。それぞれに思い入れのある作品について語り出したが、話題が「キョンシーシリーズ」に及ぶと、何かのスイッチが入ったかのように室長のキョンシー談義が始まったのだった…。
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室長
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もう1回整理しておくけど、「キョンシーシリーズ」には『霊幻道士』と『幽幻道士』のふたつがあるんだよね。で、1985年公開の香港映画『霊幻道士』がオリジナルなんだけど、1作目から4作目までは、あのサモ・ハン・キンポーが制作してるのよ。この『霊幻道士』の翌年に台湾で制作されたのが『幽幻道士』で、いわば香港版の亜流ではあるんだけど、日本では『幽幻道士』の方が親しまれてるんじゃないかな。
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コッキー
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あのテンテンが出てる方ですよね。
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室長
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そうそう。実は、このテンテン役のリュウ・ツーイーの誕生日が実際に10月10日で、それにちなんで「テンテン」になったのでは、…という噂もあるんだよ。リュウ・ツーイーは『幽幻』シリーズが終わった後に日本に来て、都内○○区立の中学校に通っててさ。そのことを知ったときは、もうドキドキしたよ。だって隣の区だったからね。その後、日本でアイドルグループの中で活動していた時期もあったけど、中学卒業後は台湾へ。でも、数年前にシャドウ・リュウという芸名で日本での芸能活動を再開、映画『着信アリ2』にも出演してたね。
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コッキー
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むしろ、室長のテンテンに対する知識の方がホラーですよ(笑)
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ケンちゃん
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僕の中で、ホラーもののスタートはキョンシーだったような気がしますね。幼稚園でキョンシーごっこしましたし、ファミコンのゲームにもありましたよね。
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パク
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『幽幻道士』シリーズの中で室長のイチオシは?
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室長
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何と言っても、5作目の『靈幻少女~帰ってきたテンテン~』だね!それまでの続編とはちょっと離れて、テンテンの生い立ちにフォーカスしてるんだけど、大人になりつつあるテンテンの成長ぶりが見所だよね…。
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コッキー
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要するにテンテンが好きなだけじゃ…。なんだか香港ホラーに話が集中してるけど…。
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ケンちゃん
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香港ホラーと言えば『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』も外せませんよね。香港映画が全盛期だった1987年の作品です。
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室長
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中国の古典小説「聊斎志異(りょうさいしい)」の中の一編を映画化してるんだよね。青年と妖女の愛を描いていて、エロチックなシーンあり、ロマンスあり、ワイヤーアクションありと、香港映画の源流を作った作品と言えるんじゃないかな。
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ケンちゃん
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「聊斎志異」と言えば、台湾でもドラマ化されてますよね。こちらは6つのストーリーをオムニバス形式で制作していて、台湾四小天王のジミー・リン(林志穎)や、今中華圏で最も注目されているホァン・シャオミン(黄暁明)といった人気俳優が結構出ていて、話題になったらしいですよ。
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室長
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ちなみにドラマ版「聊斎志異」の第5話「小倩(シャオチエン)」は『チャイニーズ~』と原作が同じだから、見比べてみるのも面白いかもね。
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パク
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ホラーが苦手という人も、これなら楽しめるのでは。古典ものやファンタジーが好きな人にもお勧めですよね。これは女性向きかも。逆に、男性にお勧めしたいのが、韓国の『Rポイント(原題)』。ベトナム戦争を舞台にした作品なんですが、古典怪談やいじめを題材にした他の韓国ホラーとは一味違います。
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室長
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全滅したはずの部隊の消息を確認に来た調査隊が、呪われた地「Rポイント」で体験する恐怖を描いているんだけど、呪いよりも人間の怖さを浮き彫りにしている感じだね。
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パク
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実際にあった話だという人もいたりして、韓国では男性もかなり怖がらせた作品です。興行的にも176万人を動員して、韓国ホラー歴代5位に入ってます。
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コッキー
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結局、韓国ホラーで一番怖いのって何かな?
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パク
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韓国人が一番怖いと言う作品は『箪笥』ですね。
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一同
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えっ!あれが?
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パク
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韓国ホラーってストーリーがメインのものが多いから、『箪笥』のあの映像が怖いって言う人が多いんです。『女校怪談』でも幽霊が迫ってくるシーンとか、韓国人で怖いって言う人は結構いますよ。
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コッキー
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あんまり怖くなかったけどな~。韓国ホラーってどちらかと言うとアートに近いのかも。
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室長
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『箪笥』も絵作りがきれいだという意見が多いよね。家具のひとつひとつまでにもこだわりが感じられるよ。シーンの美しさによって、怖さが際立つね。
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コッキー
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美しさと怖さが入り混じった作品が多いですよね。だから登場人物も彫刻家とか画家とか、アーティストの設定が多いのかも。
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ケンちゃん
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『箪笥』は色が美しいですよね。カメラのレンズに青や緑の色をつけたりして、“絵”にこだわった感じが伝わってきます。
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